スサノオのオロチ退治神話は時代が移ろう中でどう変容したのか。様々な角度から紹介する特別展「その後のヲロチとスサノヲ」が、島根県立古代出雲歴史博物館(出雲市大社町杵築東)で開かれている。

 神話のスサノオはイザナギの子でアマテラスの弟。高貴な神だが荒ぶる性格で、天上界を追放された。地上世界に降り立ち、ヤマタノオロチを退治した。

 出雲を舞台にしたスサノオのオロチ退治の神話は広く知られ、人々を魅了してきた。のちの時代、人々はあらがえない大規模災害や疫病が起こるたびにオロチの話を思い出し、スサノオの再来を願ったという。

 たとえば、鬼の姿で女性や金品を略奪した盗賊酒呑童子(しゅてんどうじ)は大酒飲みで、オロチの子という言い伝えがある。またスサノオは神仏習合で仏教の牛頭天王(ごずてんのう)と同一視され、疫病などの災いをはらってくれる存在として信仰されてきた。

 今展は博物館のリニューアルを記念して企画された。人々がオロチやスサノオに投影してきた畏怖(いふ)や祈りの心を107件の資料で紹介する。浜田市出身の日本画家石本正の「島根の神楽(櫛名田比売(くしなたひめ)と八俣(やまた)の大蛇(おろち))」、渋谷氷川神社(東京)所蔵の「氷川大明神并(ならびに)宝泉寺縁起絵」、松江市出身の彫刻家荒川亀斎の「神楽面 蛇頭」、人形師松本喜三郎の「生(いき)人形 素盞嗚尊(すさのをのみこと)」などを見ることが出来る。

 学芸企画課長の松尾充晶さんは「ちょうど神在月(かみありづき)のころであり、八百万(やおよろず)の神が集うとされる出雲の地で、神話の魅力、奥深さを感じてほしい」と話す。

 11月29日まで。観覧料は一般1100円、大学生550円、小中高生330円。11月10日、17日は休館。問い合わせは博物館。(大村治郎)

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