では、バフムトでの狙いは何か。ウ軍がバクムト南北の地域を確保し、バフムト市街地を包囲する形をとることによって、ロシア軍は、ウ軍に包囲されないように北と南の地域へ増援して包囲環の形勢を阻止しようとします。この状態を継続してロシア軍を吸引しながら、漸減を行います。

ロシア軍補給線をあえて残して、その弱点を狙い続けるのです。この方法は、へルソンで陽動するよりも、ロシア軍兵力を吸収でき漸減もできます。東部地域の兵力が薄くなった所に、ロシア製兵器を使用するウ軍部隊が打撃を加え、東部の失地回復をクピャンスク、クレミンナ付近から行います。

こうなると、南部の防御用戦力も転用する必要性が出てくるので、ロシアは南部の予備隊を東部地域へ移動させて態勢を強化せざる得なくなります。その時に、ウ軍は南部から大反撃を開始します。そのため、東部と南部の攻勢の時期はズレるでしょう。

並行してこの間に、長距離精密誘導兵器により重要拠点を叩き続けることによって、さらに攻撃を有利に行える態勢が整います」

ロシア製の兵器・戦車主体のウ軍のバフムト近郊及び東部地域での攻勢により、ロシア軍が南部やクリミアから兵力を転用せざる得ない状況が出来上がる。その好機をとらえて、南部に打って出るのだ。その時、切り札として英独製の戦車を使い、ロシア軍の防御陣地を一気に打ち抜くであろう。

https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2023/images/5cfef079109f75ad9132b3c6316a94ffbf08d728.jpg
ゼレンスキー・ウクライナ大統領は英仏まで行き、パイロットの訓練までとりつけるが、戦闘機の供与の話はなし。頼りはスロバキアから供与されたNATO仕様のミグ29。この機は、対レーダーミサイルハームを搭載可能だ。ロシア軍地対空ミサイルを無力化できる

https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2023/05/17/119451/
そこに、英国から供与された射程250kmのストームシャドウ巡航ミサイルを搭載したスホーイ24が、ロシア軍の各種兵站施設に攻撃を掛ける(写真:ウクライナ国防省)

「今回のゼレンスキー・ウクライナ大統領の各国訪問は、この作戦の説明と支援の継続を依頼していると考えられます。クリミアに行く際に、ウクライナはどうしても態勢を立て直す必要があるので、防空兵器、戦闘機、長射程精密誘導兵器を含む弾薬の供給が必要となります。おそらくこの話もしているのでしょう」(二見氏)

空軍の戦闘機、それも米国製F16が切り札となりつつあるが、ゼレンスキー大統領の英独仏訪問でパイロットの訓練は開始されるが、どの国からも戦闘機供与の話は出てこない。ウ軍はスロバキア、ポーランドから供与されたNATO仕様のミグ29と、英から供与された射程250kmのストームシャドウを駆使して、大反撃を仕掛けなければならない。

https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2023/images/5dcc1fd1bb8762f4019febc18953e089c2ab5651.JPG
そして地上では切り札、独製レオパルト戦車部隊が突入を始める。大反撃の開始だ。

https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2023/05/17/119451/