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休業前のモスクワのユニクロには長い列(C)ロイター

官界通(以下=官) ロシアのウクライナ侵攻で、世界の名だたる企業がロシアでの事業を停止・撤退しているが、日本企業もかなり同調しているな。

政界通(同=政) 今回の対応は珍しく速く、欧米企業に見劣らない。岸田文雄首相も3月2日に、ウクライナからの避難民を日本も受け入れると表明した。派手な言動のない首相だが、G7の他の首脳に劣らない即応だった。そんななか、ユニクロの「迷走」には驚いた。

財界通(同=財) 同感だ。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(73)が、日本経済新聞の取材に「戦争は、絶対にいけない」としながら、ロシアに持つ50店について「衣服は生活の必需品。ロシアの人々も、同様に生活する権利がある」と主張し、事業の継続を言明した。

政 記事を読んだとき、妙な理屈だなと思った。衣服は必需品でも、ユニクロ製である必要はない。

官 そうだ。記事が出たのが3月7日。世論の批判が噴き出し、株価が急落。あわてて3日後にロシア事業の一時停止を表明したが、何で名経営者のひとりに挙げられてきた柳井氏が、すぐに適切な判断をしなかったのかね。

財 財界の重鎮は「経験不足だね」と失笑していた。ある大企業経営者も「海外展開をしている企業が内乱やクーデターに直面すれば、いや応なしにビジネスを止める。でも、米国のイラク戦争のような場合、戦地になっていない米国では事業を続けた。今回は後者に似ているが、国際法違反とか人道的な側面をどう判断すべきかが重要だった」と、首をかしげた。

官 トヨタ自動車は3月3日に「広く公正な視野」を理由に工場の稼働を止めている。ユニクロが方針を一転させるまでにも、資生堂が停戦と安全の確保を強く希望してロシア向け化粧品などの出荷などを止め、セイコーエプソンも輸出を原則停止にしている。お手本は、いくつもあったぞ。

財 何でもひとりで決めているんだろうな。これで企業イメージが傷つかないか、心配だ。

(構成=竜孝裕・ジャーナリスト)

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